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久しぶりに顔を見たような気がする。私はなぜか少し緊張をしていた。

大学内で彼と偶然出会ったとき、彼は友達数人と一緒にいたのだけれど、私の姿を見つけると駆けてきてくれて。手の甲に白いサポーターが見えるのは、あの日電車の扉に挟まれてしまったせいに違いない。……問うたら、謝らせてくれるのだろうか。

「この前はありがとう。お礼、必ずさせてね。怪我のお詫びもしたい」

「これは転んだだけ。情けなくも商店街の真ん中で」

親友と仲直りした日以来、彼とはなかなか会えずにいた。

同じ線を使っているとはいえ、朝同じ電車になることはなかったし、復活した親友との通学風景を見られていたら、彼のことだ、もしかしたら声を掛けてこなかったのかもしれない。

「何か手伝えることがあったら言ってね。何でもするよ」

「なんでも、って?」

「代筆とか荷物持ちとか……っ、バイトは大丈夫っ?」

「平気平気。問題なし」

本当に無理をしていないかを探っていると、さっきまで彼と一緒にいた友達がひとり、こちらに向かってやって来た。