休日の朝。もうすっかり日常と化したNotaの店内の掃除をしながら、佳乃はアリスが戻ってくるのを待っていた。
 アリスは今、店内に飾るように花を摘みに行っているのだ。
「今週はなんのお花にするんだろう」
 アリスが店内に飾るように選んでくる花は、いつもどこか品があり、瑞々しい。佳乃は毎回それを楽しみにしているのだ。
 鼻歌まじりに椅子の整頓をしていると、店のベルが鳴った。まだ開店前なので、入ってくるのは関係者のみのはずだ。