一点とったところで休んでいたチームメイトと交代する。男子の待機場所は体育館の中にあるステージの上。体育館中を見渡すことができ、男子だけでなく女子の方も見える。思春期の男子の頭の中はみんな一緒でサッカーや勝負事に真剣なやつ以外は全員女子の方を見ている。とは言っても、僕もその1人だ。まあ、自分が見ているのは夏帆1人だけだけど。昼休みの時に聞いたが夏帆は運動がかなり苦手でどんなに頑張っても下の上で、体育がいつも内申点を下げているのだと言っていた。夏帆のことを観察していると、ボールを怖がって自分の目の前に来ると全て避けるような感じだった。バレーボールはボールが体に触れている時間が極端に短いため、1番ボールに慣れていないとできない競技だ。スポーツが苦手な子には難しすぎる競技でもある。基本的にサーブだけで終わってしまうことが多い。力を合わせてつなぐことが大きな魅力の一つのスポーツなのに授業ではその姿を拝むことはできない。

「お前の彼女、運動苦手みたいだな。」

自分と同じチームで一緒に休んでいるやつに声をかけられた。

「そうみたいだね。怖がっているみたいだからね。」

夏帆も前には常に誰かいてずっと守られているみたいだ。ゲームはあまりやらないがよく動画で見る姫プみたいだ。

「なんか守られているみたいだな。」

「そう!今、僕も同じこと思った!!」

急にテンションをあげた僕にびっくりしたみたいだが、やってしまったみたいな顔をしてる自分の顔を見て笑っている。

「そんな顔しなくていいよ。普通に話そうぜ。」

そこから僕はこのチームメイトとずっと話していた。