どうしよう……。責任を感じてしまう。
私が、課長の人生を壊してしまった。
私が……。頭が混乱した。
「ちょっと亜季。しっかりして!?
あくまでも噂で真実だと決まった訳じゃないわよ!」
「あ、そうよね。あくまでも噂よね……?」
美奈子がそうツッコんできたのでハッとした。
そうよね。信じたくない。
私が課長の人生を壊したなんて思いたくも無かった。
「亜季。直接本人に聞いてみなさいよ?
あんたなら聞けるでしょう」
「……うん」
確かに彼女である私なら聞ける。
だが、真実を確かめるのが怖かった。
噂だけであって欲しい。課長……何処にも行かないで
その夜。たまたま課長といつもの小料理屋で
食事をする事になっていたため思い切って尋ねてみた。
そして思わぬ真実を知る事に……。
「そうか。もうすでにその話が出回っていたか……」
「課長……じゃあ、この噂って真実なんですか!?」
驚きのあまり詰め寄った。嘘……そんな……信じたくない。
私は、泣きそうになった。
「松井…落ち着け。半分本当だが、半分違う。
まったく…どうしてお前らは、話を途中で作り替えるんだ?」
呆れた表情で課長が言ってきた。
半分本当で……半分違う?どういう意味か分からない。
「ちゃんと私にも分かるように説明して下さい!?」