翌朝。私は、目を覚ました。
隣を見たら一緒に眠ったはずの課長の姿はなかった。

「……どこに行ったのかしら?」

眠い目を擦りながら起き上がろうとした。
 だが、鈍い痛みに顔が引きつる。
そうだった……私課長と。
自分の状態を再確認する。昨晩私は、課長と愛し合ったのだ!

 初めてでスムーズとは、言えなかったが、ちゃんとお互いに想いが通じ合えた。
 課長も同じ気持ちでいてくれたと思う。
これは、幸せの痛みだと思った。

 痛みに耐えながら脱ぎ散らかした服を探し着た。
そして、寝室から出てリビングの方に行く。
 課長……どこに居るのかしら?

だがリビングにも居ない。
 痛いのを我慢して、あちらこちらを探しても見えなかった。
外に出て行ったのだろうか?
 疑問に思いつつシャワーを浴びたくなったので勝手に借りる事にした。

 しかし、シャワーを浴び終わっても帰って来る気配が無い。
仕方がないので、また勝手ながらキッチンを借り朝食の準備をしていた。

 課長が戻って来たのは、朝食が丁度出来上がる頃だった。
ガチャッとリビングのドアが開くと汗だくになりながら
ジャージ姿の課長が入ってきた。

「松井……起きたのか?」

「あ、課長。おはようございます。
すみません。勝手にキッチンを使わせて頂きました」

フライパンで焼いた目玉焼きをお皿に乗せながら謝罪をした。

「いや……別に構わないが悪いな。
 本来なら俺が作らないといけないところ何だが
どうも習慣にしているランニングをサボると調子が出なくて」

「さっきまで走って来たんですか?」

「あぁ、起きてすぐに走ってきた。悪かったな……松井」