私達は、店長の用意してくれた料理を食べることにした。
どれも本当に美味しかった。
お互いに沈黙が続くがそれは……照れているだけで
鼓動がずっと鳴りっぱなしだった。
そして食べ終わると私と課長は、外に出た。
冬が近いので肌寒い。冷たい風が染みる。
「……家まで送って行く」
課長は、そう言ってくれた。
送ってくれると聞いたとき凄く嬉しかったけど
まだ離れたくないと思った。
もっと課長と一緒に居たいと思ったからだ。
「あの……この後。課長のご自宅に行ったらダメでしょうか?」
私は、勇気を出して言ってみた。
課長は、驚いた顔をされる。 迷惑だっただろうか?
でも今言わないといけないような気がした。
じゃないと……後悔するなような気がして。
「松井……それってどういう意味なのか分かって言っているのか?」
「………」
私は、小さく頷いた。 この意味は、理解が出来た。
女性が夜遅くに男性の自宅に行くのだから
何かあってもそれは、自己責任だ。
でも、今の私は……それでもいいとさえ思った。
課長とならと……。
「私は、課長となら何があってもいいと思っています!」
「しかし……」
恥ずかしそうに伝えるも課長は、渋るように言ってきた。
上司としての責任もあるのだろうか?
だけど……今は、そんなこと忘れて欲しい。
「……自分から誘う女って……嫌ですか?」
「いや……そんな事はないけど……」