「……悪い、嬉し過ぎて。その……若干頭の中がパニックを起こしている」
えっ……?課長は、顔を必死に隠し動揺していた。
こんな風に動揺した課長を見るのは、生まれて初めてだ!
その姿を見て何だか思わず笑みが溢れてしまった。
「わ、笑うな。これでも必死に落ち着かせているんだぞ」
「すみません。フフッ……」
謝るが、課長の顔を見るとまた笑ってしまった。
若干、涙目になるが……。
それは、悲しさじゃない嬉しさだ。
「おやおや。心配していたが、いい雰囲気になったじゃないか?」
すると店長がたくさんの料理を持ってきた。
鮭と野菜のホイル焼きにお刺身の盛り合わせとか
食べられないほどある。
「これ、お祝いだ。好きなだけ食べな」
えぇっ?こんなにたくさんの料理を!?
店長のご厚意に驚いてしまう。本当にいいのかしら?
「いいんですか?こんなに……」
「いいって、いいって」
アハハッと笑い去って行く店長だった。
私達は、黙ったままその料理を見つめていた。
この状況をどうしたらいいのだろうか?
聞かれたと分かり余計に恥ずかしくなった。
「食べるか……?せっかく頂いたのだし」
「…は、はい。そうですね」