違うんです……そう言う関係とかじゃないんです!!
心の中で何度も言うが口には出せなかった。

「亜季…?どうしたんだい?」

八神さんがまた、呼び捨てで私の名を呼んだ。
 ハッと我に返った私は、慌てて八神さんを部署から連れ出した。
 このまま居たら何を言い出すか分からないし。

「や、八神さん。何を言い出すんですか!?
大勢の前で……」

「何って?普通にランチの誘いをしただけだけど?」

 不思議そうに八神さんは、首を傾げてきた。
いや…あなたが言うから問題なんです。
 イケメンのあなただと余計に注目を浴びてしまう。

「そんな大勢の前で言ったら噂になってしまいますよ?
あなただって嫌でしょ!?」

「えっ……いいんじゃない?
俺……別にモテたい訳じゃないし」

えっ?モテたい訳じゃない……?
 私は、驚いて八神さんをジッと見るとニコッと微笑んできた。

 「俺さ……昔から結構周りからちやほやされるから勘違いされやすいけど
意外と恋愛に対して真面目なんだよ?」

 意外…行動や容姿からも遊んでいる人だと思っていた。
 だって、こんなにカッコいいのだからモテるなんて珍しくもないだろうし……。

「だから、もっと真剣に考えてみてよ?俺のこと」

 そう八神さんに言われるが、私なんかに?と
思う所もあってなかなか信用が出来ないでいた。
 何より私は、課長の事が好きだった。

「何度も言いますが、私は……」