明らかに誤解されていると 肌で感じるぐらいに……。
周りも怒らせないようにビビっているし。
 ど、どうしよう。 絶対に変な誤解をされてる。
このままだと嫌われる所か社内の空気まで壊れてしまう。

 私は、パソコンのキーボードを打つのをやめて
こっそりとスマホをいじった。
 せめて伝えるだけ伝えたい……。

『先ほどは、申し訳ありませんでした。
今夜時間を作って頂けませんか?話があるのですが』

メール送信をする。これで、良し。
 後は、課長が気づいて承諾してくれたらいいのだけど
だが、昼休み近くになっても返事すらない。
 課長は、部署を出た時もあったから
返事ぐらい返せる時もあったと思うのだが……。

 いや、ただ仕事中だし読む習慣がないだけかしら?
本来ならいけない事だし……。
 それが気になって仕事にならなかった。
そして昼休み。

「亜季。ランチに行こう?」

「う、うん」

 結局返事は、未だに来なかった。
チラッと課長を見るとまだ仕事中だった。
 仕事中だからよね……?

自分に何度も言い聞かせ席を立とうとした。
 すると女子社員がざわめき出した。
私は、騒いでいる方向を見ると思わず硬直した。
 や、八神さん!?何で八神さんが、ウチらの部署に!?

そうすると私を見つけるなり、にこやかになる。
「あ、亜季。今からランチなら俺と一緒に行かない?
昨日の話……まだ途中だったんだよね」

 そう言って誘ってきたじゃないか。
女子社員は、全員私の方を向いた。もちろん男性社員も……。
 ちょっと皆の前で何という事を言い出すの!?

これじゃあ、まるで付き合っているみたいじゃない。
 あわわと何を言ったらいいか分からない私に美奈子は、ポンッと肩を叩いてきた。

「亜季。行っておいでよ?
私のランチは、明日でもいいし」

 えぇっ!?美奈子……そこ気遣わなくていいから止めて欲しかった。
慌てて課長の方を見るとパソコンのキーボードを打つのをやめて
こちらをジッと見ていた。課長……。