どう説明したらいいか分からない。
攻められたと言えば、そうだが……付き合うつもりなんてないし。

 チラッと美奈子を見ると美奈子も
興味津々と聞いていた。いやいや助けてよ……。

「いや…だから。別に付き合うとかは……」

「お前らいい加減にしろ!?勤務時間中だぞ!!」

 いつの間にか出勤していた課長の怒鳴り声が社内に響いた。
 一同静まり返った。だが、その話題に居るのは、自分自身。
私は、動揺を隠せなかった。

 もしかして内容を全部聞かれてしまったのだろうか!?
もしそうなら…どうしよう。
 変な誤解をされたままだ。課長には、誤解されたくない。
皆、自分のデスクに戻るが私は…課長の前に行った。

「あの……課長……」

「松井もさっさと自分の仕事に戻れ」

 ギロッと睨まれてしまった。
ビクッと肩が震える。怒っている……。
睨まれたため硬直してしまった。

「し、失礼しました」

動揺を隠せないまま自分の席に戻った。
 落ち込みながら席に戻ると美奈子がこっそりと声をかけてきた。

「怒られちゃったわね。でも、亜季。
後で話は、聞くからね?」と言ってくる。

「う……うん」

 返事をするものの私の頭の中は、どうやって
誤解を解くかその事ばかり考えていた。
 その後の課長は、いつもよりピリピリして機嫌が悪かった。