「うぐっ……」

 突然の発言にむせかえる。
ゲホッゲホッ……と胸を慌てて叩いた。

「あ、ごめん、ごめん。はい。お水」

 お冷やを渡され慌てて飲み込んだ。
ふぅ……危なかった。
 いきなり言うからむせかえって苦しかった。

「それで、もしかして好きな人って
その叱られた課長なの?」

 また尋ねてきた。意外としつこい………。
聞かないでほしいのに何故聞くの?
 彼の発言にイライラしてしまった。

「そ、そうだったらいけませんか!?
私が課長の事…す、好きになっちゃあ」

 身体が熱くなりながら言い返した。
私は、真剣に惹かれている。
 それをとやかく言って欲しくなかった。

「いや…悪くないよ。言い方が悪かったかな?ごめん」

「あ、いえ…すみません」

 怒鳴った自分が恥ずかしくなる。
どうも課長に対してだとムキになってしまうようだ。
 だが八神さんは、食い下がらなかった。

「その課長とは、付き合えそうなの?
それか、すでに付き合ってるの?」

「まだ付き合ってません……」

「じゃあ、まだ俺にもチャンスがあるって事だね!?」