私は、頬が熱くなってしまう。
泣き顔が可愛いだなんて…そんなこと今まで一度も言われた事がない。
「あ、また照れてる……顔赤いよ?
もしかして、こういうの初めて?」
クスクスと笑われながら言われた。
か……からかわれてる。
冗談じゃないとそんなこと言わないだろう。
私は、言われるほど美人でも何でもないし……。
「からかわないで下さい!!」
その態度にムスッと怒った。
普通の女性なら勘違いをしてしまう言葉だ。
私だから良かったものの……。
「酷いなぁ~冗談じゃないのに。
亜季って呼んでいい?君って付き合っている人とか居るの?」
「えっ!?いえ…いませんけど……」
呼び捨てでもいいかと言う言葉にも驚いたが
彼の言葉に引っかかった。
課長とは、デートとかもしたけど、付き合っている訳じゃない。
彼氏とは、冗談でも言えない関係だ!
「じゃあ、好きな人は?」
「えっ……?」
課長の顔が浮かび上がり頬がまた熱くなってしまった。
そ、そんな好きな人だなんて……。
「へぇ~居るんだ?好きな人…あ、料理が来たみたいだ!」
助かった。運よく店員さんが料理を持って来てくれた。
女性社員に人気なだけあって美味しそうな料理だった。
ワインが無いためジュースで乾杯した。
ジュースを飲みパスタを食べていると八神さんは、
まだ諦めてなかったようだ。
「もしかして……その人って課長さん?」
「うぐっ……」