「うん?泣いていたからかな?」
泣いていたからって……そんな興味を引くような事なの?
意味が分からないと首を傾げる。
「だって上司に怒られたからって
泣いていたくせに俺が同情して言ったら怒ったじゃない?
課長のせいじゃないって言い訳もしなかった。
そういう所を見て純粋だなぁ~と思ってさ。
君に興味を持ったんだ!」
そう話す彼に心臓が高鳴ってしまった。
まさか、男性にそんな風に見てもらえると思って無かったから余計に。
私に取ったら恥ずかしい事ばかりだ。
怒ったのだって課長を悪く言われて嫌だった訳で純粋とかじゃない。
「八神さん……誤解をしています。私は、
自分が原因だから認めた訳で、ただの自業自得なだけです」
褒められるような事は、何もしていない。
だが彼は、クスッと微笑んだ。
「だからいいんだよ。今時の子なら言い訳や逆ギレのオンパレードだよ?
自分の非を素直に認められるなんて凄いよ。今の君のようにね」
その言葉に思わず心臓がまた高鳴ってしまった。
そんな風に思ってくれてると思うと悪い気がしなかった。
「……ありがとう…ございます」
「フフッ…照れてる。まぁ、気になるのは、
それだけじゃないんだけどね?」
「……えっ?」
恥ずかしそうに顔を上げると八神さんは、私の手を添えてきた。
そしてニコッと王子様スマイルで微笑んできた。
「泣き顔が可愛いなぁ~と思って」
「なっ!?」