式って……お母さん話が飛び過ぎよ。
いくらお見合いしたからって、いきなり結婚の話にならないでよ!?
「う~ん。そこそこたまに一緒に食事するだけ」
さすがに母親にデートしてキスをしたなんて
恥ずかしくて言えない。しかも
今日叱られたなんて……。
言ったら何を言われるか分かったものじゃない。
「はぁっ?それだけ?
あんた……学生じゃないんだから、せめて
将来の事ぐらい話し合いなさいよね」
「そんな無茶言わないでよ…上司なんだから」
「いい年なんだから、それぐらい強引に
話を進めないと結婚なんて意識されないわよ!?
特にあんたの場合は……」
「そんなにガツガツ出来ないわよ。
私だって立場があるし」
あんたの場合って…母親なのに酷い。
母の言葉にショックを受ける。
それに課長だって立場があるし私だって。
「ハァッ…これだと結婚いつになるか分かったものじゃないわね。
あんまり曖昧にしていると向こうから断られるわよ?」
母は、さらにため息混じりに言われた。
ズキッと何だか胸が痛んだ。
課長に断られる。確かにそう言う事だって有りえるのだ。
私が想った所で向こうが呆れ愛想を尽かされたら終わりだ。
縁談も無くなる。言葉が出ない。
「とにかく愛想を尽かされないように頑張りなさい。
あんたに次があるかどうか分からないんだから」
「……うん。分かっている」
母親に忠告された。それしか言えなかった。
愛想を尽かされないか……。
私に出来る事ってなんだろう?
ぼんやりとそれを考えていた。
翌日。昨日のことを考えながら
会社に行くと何やら女子社員が色めいていた。
どうしたのかしら?何かのイベントでもあるの?