「あ、お帰りなさい。亜季」

「お母さん。急にメールがあったから驚いたわよ」

 「あぁ、たくさん野菜とか貰ったからおすそ分けに
それに急って…あなたが、なかなか連絡してこないからでしょ!?」

 ドアを開けると母が待ってましたと出迎えてくれたが
帰って来て早々言い返されてしまった。
うっ……やぶ蛇だった。
 私は、そそくさと部屋にあがるとクローゼットを
開けて普段着に着替えた。

 着替え終わり台所に行くと母親は、料理を盛り付けていた。
 私は、それを部屋にある小さなテーブルに持っていく。
ちなみに私の自宅は、1DKで一人暮らし中だ。

「これも…まったく。あんたは、ちゃんと食べてるの?
 料理とかレパートリーとか増やさないと結婚したら困るわよ?」

口うるさい母の説教が始まった。
 うぅ……言われると思っていたけどやっぱり言われたか。家事のこと……。

「分かってるわよ!
自宅に居る時は、作るようにしてるから」

「なら、いいけど……そんな事よりあれから
どうなったのよ?あなた達の関係」

 うっ……早速!?直球に言われてしまう。
どう反応したらいいか分からず戸惑った。
 課長とは……色々あったし。

「まぁ…上司だし。毎日会ってるわよ」

「会社の事も大事だけど、プライベートの事よ!
まさか、断ってないでしょうね!?」

 もし断ったりしてたら、うるさかっただろうな。
今もうるさいのに。
 それこそ顔向けが出来ないとか色々言われそう。
私は、ため息を吐きながら座ると手を合わせた。

「いただきます。大丈夫よ……こないだも一緒に食事をしたし」

「まぁ、本当なの!?
で、どこまで話が進んでるの?式の予定は?」