メール着信2件。1件目は、課長からだった。

『さっきは、立場とはいえ言い過ぎた。すまない
今度お詫びをさせてくれ』

そう書いてあった。
 課長……気にしてくれてたんだ。言い過ぎたって
チラッと見るとまだ電話中だった。
嬉しくて心臓が高鳴った。

 まさかメールをくれるなんて。あ、返事返事。
早速返事を書いた。

『こちらこそ。申し訳ありませんでした。
お詫びは、こちらからさせて下さい』

これで、良し。
 いつも誘って貰うばかりなのでたまには、私から言いたい。
 そう思いながら送信するともう1つのメールを覗いてみた。
すると母親からだった。

『今日話があるから、あなたのアパートで
待ってるからそのまま帰って来て!』

そう書いてあった。 ゲッ!!話って……一体何?

 また、お説教に違いない。だってお見合いの件が
どうなったかは、母親に言っていないからだ。
 きっと心配している事だろう。

「どうしたの?亜季」

「母親からメール。今日私のアパートに来るんだって。多分説教ね!」

「うわぁ~あんた。今日は、ツイてないわね!?」

美奈子にそう言われてしまう。
 確かにツイてるとは、言えない。
でも昨日は、良かったからその反動だろう。
 ハァッ……一体どんな風に説教してくるやら
私は、さらに大きなため息を吐いた。

 結局。課長の謝罪は、あやふやになったまま
会社が終わるとアパートに真っ直ぐ帰った。
 憂鬱な気分になってきた。
ため息混じりにドアを開けた。

「ただいま……」