美奈子……。私を心配してくれたようだ。
彼女の厚意はありがたい。

「うん。心配してくれてありがとう。
大丈夫だから心配しないで」

「そう?課長も酷いわよねぇ~いくら
お茶をこぼされたからってあんな言い方しなくてもいいのに」

「ううん。私が大事な書類の上に、こぼしたんだから仕方ないわよ!」

「まぁ…そうだけど。でも亜季とは、キスまでした仲なのに……」

また課長を悪く言われてしまった。
 美奈子は、納得いかない様子だったが、いい友人で同僚だと思う。
私の事を心配してくれる。

「上司として正しい判断だと思うわ。
私に特別扱いして怒らないとかフェアじゃないもの」

 それは、さすがに上司としてまずいと思う。
ひいきになっちゃうし……。
 課長も特別扱いは出来ないと言っていたし。

「あんたは、大人ねぇ~私なら怒っちゃうわよ!」

 呆れながら言われてしまった。
意味もなく怒る人じゃない。それは理解している。
 だから、余計に落ち込んでしまったのだ。

「まぁ、気にしない事ね。もしかしたら今頃
反省しているかも知れないし」

「……うん」

だと……いいんだけどな。
 私は、ため息を吐くと美奈子と部署に戻る事にするが緊張感のままだった。
 もう一度謝らないと……。
だが、電話中だったため出来ずじまい。

 仕方がない。後にするかと自分の席に戻ることに
チラッとデスクを見ると自分のスマホがチカチカと光っていた。
 仕事中に私用の携帯を使うのは、ダメなんだけど気になって確かめてみた。