「フフッ…いい眺め。
課長…もう少しこの景色を楽しみませんか?」

「楽しむってどうやってだ?」

「何処か景色が一望出来る場所に行くんですよ!
 えっと…確かチラッと見た時に雑誌に載ってたような」

 課長が運転をしながら尋ねてくるので
私は、近くにある課長の買った雑誌をひろげる。
 ほろ酔いのせいか、ちょっと大胆になっていた。

「あ、あった。この場所なら見れますね!」

 付箋が貼ってあるレストランのページ近くに
景色が一望出来る場所が載っていた。課長に見せた。

「確かに……ここから近いな。なら、行ってみるか?」

「はい。お願いします」

ニコッと笑顔で言った。
 課長は、そのまま車を走らせ目的の場所まで
行ってくれた。
 少し外れに景色が一望出来る場所があった。
確かに綺麗だった。もちろんデートスポットのため
あちらこちらにカップルが乗った車がある。
 あまりにも綺麗だから大はしゃぎしてしまった。

「松井。お前……少し酔ってるだろ?」

「失礼ですねぇ~少ししか飲んでませんよ!」

ムスッと頬を膨らませた。
 そう言いながら身体は、ふわふわするし
身体もポカポカしてテンションが上がっていた。

「そういえば…松井って確か宴会でも酔っていた経験あるな。
 あの時は、玉田が付き添っていたが…」

課長は、思い出したように言ってきた。
 確かに宴会で周りに無理やりたくさん飲まされたため吐いて
美奈子に介抱してもらった事があった。
 あれは、何年の頃だったかしら?

「課長……嫌な記憶を思い出させないで下さい。
恥ずかしくなりますから」