「嫌よ…お見合いなんて。
私は、まだバリバリに働きたいし
それに結婚するなら恋愛結婚がいいわ」
「何を言っているのよ?そう言ってばかりで、もう28じゃないの。
そんな贅沢な事を言ってたら婚期逃すわよ?
それにこの方は、有名大学を卒業して、あなたの
働いている会社で35歳の若さで課長として出世してるのよ?
こんな条件のいい人をあなたが探せるとは、思えないけど…」
母は、くどくどと文句を言ってくる。
こうなった母は、誰も止められない。
それよりも私の働いている会社の課長さん…?
「私の働いている会社って…相手どんな人なの?」
「あら、興味持つ気になった?
お見合い写真もあるのよ……この人」
そう言ってお見合い写真を渡された。
不安に思いながら見るとその相手にショックを受けた。
いや、ショックより驚きに近い。
だってその相手は、櫻井課長じゃない!?
まぎれもなくその相手は、櫻井課長だった。
えぇっ!?ちょっと……。
私に課長とお見合いをしろと言うの?
「あら、同じ会社だと言っていたけど
やっぱり知り合い?」
「私の上司よ。企画営業部の課長なの」
「あら、丁度いいじゃない。
これも何かの縁ね。ぴったりじゃない」
そんな縁いらない……。
私にとったら罪悪でも何でもない。
下手に断ったりしたら気まずいじゃないのよ…これ。
「断って。課長だと気まずくて仕方がないわよ!!」
「そんなのダメよ!引き受けちゃったんだから
会うだけ会いなさい。
悪い条件じゃないのに…この子ったらまったく」
「相手は、上司よ!?嫌よ…こんなの」