何だか空気が重くなってしまった。
これじゃあ、会社に居る時と変わらない。
 そうしたら店の店長が間に入ってきた。

「おいおい、櫻井さん。
あまり女性に説教したら嫌われちゃうぞ?」

「べ、別にそういう訳じゃあ…」

 「すまないねぇ~櫻井さんは、君を想って言っただけだから。
他の男性に言い寄られたら嫌だからって」

 代わりに謝罪をしてきた。
それを聞いて課長は、慌てだした。
 他の男性に言い寄られたら嫌だから……?

「あの……それって本当ですか?」

 思わず口から出てしまう。
するとまた課長は、目線を逸らしてきた。
 耳まで真っ赤になっていた。

「あ、あぁ…まぁ。
今回は、俺だったから良かったが……」

「私は、課長だから言ったんです。
他の人には、言いません」

 それだけは、勘違いされたくない。
課長は、驚いたように私を見る。
 耳まで真っ赤って事は、恥ずかしいのか照れているのだろう。

「また、俺が…勘違いしてしまうぞ?」

「し、して下さい。勘違い…」

自分で大胆発言をしてると自覚はあった。
 身体が熱く火照りながらも少しずつ自覚をしていく。
私……課長に気があるのだと。