「か、課長。あの…申し訳ありませんでした」
「……すまない。もう少し配慮すべきだったな」
「ち、違います。別に課長と一緒に居るのを
見られるのが嫌だとか思ってません!!」
違う……下手に謝ったら余計に誤解されちゃう。
課長は、振り返ってくれた。
私は、どうにかして誤解を解きたくて必死に頭を下げた。
「ただ……変な噂とか立ったら
課長がその……迷惑になるんじゃないかって。
だから、あの……申し訳ありませんでした!!」
「いや…噂とかとんでもない。
俺は、構わないと思ってるし」
「えっ?いいんですか…?私と噂になっても」
驚いて顔を上げた。私と噂になったら迷惑になるとか嫌な顔をされると思っていた。
だが課長は、それでもいいと言ってくれたのが衝撃だった。
「俺は、君が嫌じゃないならいい。
会社内では、特別扱いが出来ないだけだ」
「そ、そんなの構いません!!
課長と一緒に居られるなら」
あっ……!?
真剣な表現で言う課長に思わずそう言ってしまった。
ハッと気づいた時には、すでに発言してしまい
自分でも赤くなったのが分かった。
これじゃあ、告白みたいじゃない!!
恥ずかしながら課長を見ると課長まで
真っ赤になり目線を逸らしていた。
は、恥ずかしい……。
余計に身体中が熱くなってしまった。
「あ、あの…変な意味とかじゃなくて…その…」
「いや、分かっている。
気を遣ってくれてるって事は…」
「そ、そんな気を遣ってるとかじゃなくて
ただ私は……」
もう自分で何を言いたいのか分からなくなってしまっている。
課長の誤解を解きたい。でも、遠慮してるとか
思われたくなかった。
私は、純粋に課長と一緒に食事をしたくて…あれれ?
この気持ちって…何なの?
余計に自分の事に困惑してしまった。