その後は、夕食になるまで庭園や周りを散歩した。
お土産も見たり、名物などを食べたり体験したりする。
 和季は、興味津々といろんな物に触れては、喜んでいた。

 よくよく考えたら付き合っていた頃は、
日本で課長と泊りがけで旅行をした事が無かった。
 しかも子供を連れて初めての旅行だ。

 何だか新しい発見が出来て嬉しくてなってきた。
また、1つ増えた。
 ドキドキや新しい発見が増えるたびに私の心は、満たしていく。

「亜季。どうした?そろそろ部屋に戻らないと
夕食に間に合わなくなるぞ?」

「あ、はい。待って下さい」

私は、慌てて課長と和季のもとに駆け寄って行く。
夕食の料理も新鮮な食材や刺身などたくさんあって豪勢だった。

「うわぁ~美味しそう」

私は、目をキラキラさせながら喜んだ。
 すると和季も美味しそうな料理に興味があるのか
必死に手を伸ばしていた。
 小さな身体を必死に伸ばして茶碗蒸しの器に触ろうとする。

「あ、和季。メッ!!」

 慌てて止めようとしたら課長が、ひょいっと和季を抱き上げた。
叱られたためぐずりだしてしまう。

「ふぇぇ~ん」

「こら。お前は、こっちだ!」

 そう言いながら膝元に座らせると持ってきた離乳食を食べさせた。
 しかし、これだと課長が料理を食べられない。
 いつもは、助かるけどさっきもお風呂に入れてもらったし
せめて食事ぐらいは……。

「和季は、私が食べさせますから。
あなたは、食べていて下さい」