そして数ヶ月後。私は、少し遅れながらも無事に免許が取る事が出来た。
 すると青柳さんがこちらに来た。

「無事に合格出来て良かったな。おめでとう」

「ありがとうございます!
 青柳さんが辛抱強く教えて頂いたお陰です。
本当にお世話になりました」

 私は、慌てて頭を下げてお礼を言った。
これも辛抱強く教えてくれた青柳さんのお陰だ。

「俺も一安心だよ。君は、あまりにも下手だったから」

「アハハッ…すみません」

私は、苦笑いをした。
確かに、免許を取れるなんて不思議なぐらいに下手だった。
 よく取れたと自分でも思う。私は、もう一度頭を下げた。

「では、本当にお世話になりました」

「あの……松井さん」

「はい?」

「いや……何でもない。元気でな」

 行こうとしたら青柳さんに呼び止められ振り返ったが何もないと言われた。
 他に何か言いたそうだったが一体、何だったのだろうか?

「はい。青柳さんこそ……お元気で」

ニコッと微笑み返した。
 教習所にまさか青柳さんが働いていたなんて
思わなかったけどこれも何かの縁だったのだろう。
 せっかくなんだし、また青柳さん。
家に来てくれたらいいんだけどな。
 課長と仲良くやってほしいとまたのんきに思っていた。