別に付き合ってる訳でもないのに
バレるとまずいものね。気をつけなくちゃあ……。
課長に迷惑は、かけられないもの。
自分だってまだ…よく分からないのに
私は、一体どうしたいのだろう?課長のこと……。
自分の気持ちに問いかけながら部署に戻った。
そして課長の所に行くと課長のデスクにお茶を置いた。
「お茶をどうぞ」
課長は、私の方をチラッと見ると
「ありがとう」と言ってくれた。
一言だけだったけど凄く嬉しかった。
それからも私は、課長にお茶を淹れるようになった。
すると数日後……。
「松井。悪いが、これを経理課まで届けてくれ」
「あ、はい。承知しました!」
突然の頼みに驚くも引き受けた。
書類を受けると付箋が貼ってあった。見てみると
『今夜食事でもどうだ?いいなら
こないだの喫茶店で待っててくれ』
そう書いてあるじゃないか。
二度目の食事のお誘いだった!!嬉しい……。
課長を見ると少し恥ずかしそうに
「頼んだぞ!」と言ってきた。
「はい。」
私は、笑顔で部署を出る。
付箋を剥がしながらもう一度見た。
笑みがこぼれてしまう。
また、同じ小料理屋に連れて行ってくれるのかしら?
嬉しくてその付箋は、こっそりポケットに入れた。
そして、そのまま経理課に行き書類を渡した。
仕事が終わると私は、この前と同じ
駅近くの喫茶店で待つことにした。
二度目でもまだ心臓がドキドキしていた。
会社とは、また違う課長。
今日は、どんな発見があるのだろうか?
しばらくすると課長が入ってきた。
「すまない…待ったか?」