「それは、秘密です。墓まで持って行くつもりなので」
彼は、そう言い教えてくれなかった。
結局。青柳さんの秘密は、教えてくれないままだった。
そして食べ終わると青柳さんは、帰ることに。
「じゃあ。今日は、ご馳走様でした。
大変美味しかったです」
「また、家に遊びに来て下さいね。
今度いらした時もたくさんご馳走を作って待っていますので」
「あぁ、では……」
頭を下げて行ってしまった。
遠くになるまで見送ったが青柳さんの言葉が未だに分からず心に残っていた。
卑怯な奴?青柳さんが……まさか。
「帰ってしまいましたね。それより
さっきの青柳さんのセリフなんだったのかしら?」
「……まぁお前は、知らない方がいい」
「えっ?あなたは、青柳さんの言った意味が分かったんですか?
あれだけで…?」
「まぁな。大体想像がつく」
「じゃあ、教えて下さいよ?
私が分からないままじゃないですか……」
「……さぁな。和季。そろそろお風呂に入るぞ」
そう言いながら誤魔化すように和季を抱き上げて自宅に入ってしまう。
えっ?ちょっと、あなたってば!?
私も慌てて中に入った。
課長ったら教えてくれてもいいと思うのに意地悪だわ。
納得いかないままだったが、まぁ、お礼もちゃんと言えたし
私は、満足して家の中に入って行った。