「俺は、お前が合コンに行ったという
真実を後から聞かされて驚かされたぞ?」

 ムスッとした表情で言う課長。あ、そうだったわ……。
海外に追いかけた後に課長に青柳さんの事を話した。

 追いかけるきっかけをくれた人でお世話になったと
その時も合コンに行くなんてと説教されそうになったっけ……。

「ごめんなさい。でもお陰で
追いかける勇気を貰ったから結果オーライですよ!」

「結果オーライって……まったく。
相手が青柳さんだったからいいものの……」

「いえ、俺は…本当に何もしていませんよ。
あれは、俺の意見を松井さんが素直に受け取り実行してくれたからですし」

 私と課長のやり取りに青柳さんは、謙虚気味にそう言ってきた。
 そんなことない……青柳さんの言葉があってこそだ!

「でも、あの時は青柳さんが叱ってくれなかったら
自分に言い訳をして気持ちを告げられませんでした。
 本当にありがとうございます!」

私は、深々と頭を下げると課長も同じく頭を下げてくれた。

「俺の方からもお礼を申し上げます」

「2人共…頭を上げて下さい。
 それに俺、そんな立派なものではないです。ただの卑怯な奴ですから」

「どうしてですか?」

 私は、不思議そうに尋ねるが
少し寂しそうな表情を見せる青柳さんだった。
 何でそんなに悲しそうなのだろうか?