「あぁ、こちらこそ。じゃあ、また明日」

「あ、待って下さい!!」

 立ち去ろうとする青柳さんを何故だか慌てて止めてしまう。
 あぁ、またやってしまった……!!
どうしても青柳さんを見ると引き留めてしまう。

「……何?」

「あ、えっと…今度改めてお礼をさせて下さい。
色々とお世話になったので……」

「……いいよ。別に。それより明日も頑張って」

 素っ気なくそれだけ言うと行ってしまった。
断られてしまった。 でも、青柳さんらしいと思う。
 まさか、あの人が担当指導員になるとは、思わなかった。
何だか不思議な気分だ。その事は、夜に課長にも話した。

「えっ?担当指導員だった?
青柳さんって……確かお前が背中を押してくれたと言っていた人か?」

「はい。もう驚いちゃってお礼もきちんと言いました!」

私は、嬉しそうに話した。
 課長は、ふーんと曖昧な返事をしながら
和季に離乳食を食べさせていた。どうしたのかしら?

 不思議そうに首を傾げた。そうすると
「まだ肉食系ではなくて良かったかもな」と小さな声でボソッと呟いた。

「えっ?今なんて……?」

「いや、何も。それよりご飯にするか?
和季も離乳食を食べ終わったし」

「あ、はい。今すぐ準備します」

 慌ててキッチンに戻って行く。
一体何を言いたかったのかしら?

 出来上がっている料理をよそっていると課長が私に
「それより、運転の方は、どうだったんだ?」と聞いてきた。