「美味しいです……とても」

「そうだろ!?」

パァッと課長は、嬉しそうな表情になった。
 その表情を見ると何だかまた心臓が高鳴ってしまった。
あんな顔をするんだ……?

「他にもお薦めなメニューとかあるんだ。
今度食べてみるといい」

「はい。ぜひ……」

「じゃあ…今度また…あ、すまない。
つい調子に乗ってしまった」

 恥ずかしくなりながらも頷いた。
すると課長は、ハッとしたのか慌てだした。
 私は、思わずクスッと笑ってしまった。

「いえ…また誘って下さい」

 不思議と何だかいい雰囲気になれた。
そのせいか素直に言う事が出来た。
 あっという間に食べてしまい帰る事になった。

「あの……今日は、ごちそうさまでした」

駅のそばで私は、お礼を言った。
 会計の時に自分の分を払おうとしたが
課長に全額奢ってもらった。
 そんなつもりはなかったため申し訳ない気持ちになる。

「いや…こちらこそ。
今日は、楽しかった…ありがとう」

「いえ…こちらこそ。
ありがとうございました。おやすみなさい」

 深々と頭を下げるとお互いのホームに別れた。
ハァ…緊張しちゃった。力が抜けてしまう。
 こんなに緊張するとは……でも、また新しい課長を発見が出来た。
 意外と料理を作るのも好きで小料理屋が好き。

 今度また、一緒に行ったら新しい課長を発見出来るだろうか?
 次…いつ誘ってくれるかな?
私から誘ってみたら迷惑かしら。