「まぁ、何事も経験だ。やれるだけやってみろ。
だがやるからには、真剣にやるんだぞ?」
「もちろんです。ありがとうございます!」
嬉しさのあまり頭を下げた。やった……。
明日にでも手続きに行こう。
あ、参考書とか買わなくちゃあ……それから
私は、機嫌よく夕食の用意をした。
そして夕食を食べ終わると課長は、和季を
寝かせるために寝室に向かった。
その間に食器を洗いながらお茶の準備をする。
数時間後。課長がリビングに戻ってきた。
「ふぅ~やっと寝てくれた」
「あ、お疲れ様です。お茶をどうぞ」
ソファーの方のテーブルにお茶を置いた。
課長は、ソファーに腰を下ろすと一息ついた。
和季は、課長に絵本を読んでもらうのが大好きだ。
そのため寝かしつけるのも課長が担当してくれた。
意外と子煩悩で育児に積極的に参加してくれるので
私は、家事に集中が出来るから助かっていた。
食器洗いが終わり私も隣に座る。
「どうだ?免許もそうだが近所の人達と上手くやれそうか?」
「はい。何とかコミュニケーションも上手く取れました。
皆さんいい方達で似た育児の悩みとか相談に乗ってくれました」
「そうか、それならいいんだ。
せっかくアメリカで仲のいい友人が出来たのに
離れ離れになってしまったからな。すまなかったと思っている」
申し訳なさそうに課長は、謝ってきた。
課長は、いつも私の事を気にかけてくれている。
嬉しい……。
「いいえ。久しぶりに日本に帰って来れたので
私は、嬉しいです」
「お前は、相変わらず強いな」
課長は、クスッと微笑んでくれた。
そう言われると何だか恥ずかしくなってくる。
でも嬉しくて微笑んだ。すると自然と顔が近づきキスをする。
甘いキスをされてソファーに押し倒された。