その後も免許の便利さや育児の事で話が尽きない。
意見を聞いている内に免許というものに興味を持ち始めた。
確かに和季が大きくなると車が必要になるかも知れない。
習い事や塾……もしかしたら何かスポーツをやるかも知れないし。
そうなれば、送り迎えが必要になってくるわね。
課長は、仕事で忙しいだろうし……。
もちろん私が、免許を取れるかなんて分からない。
自分は、器用な方ではないし…でも
課長に頼むだけ頼んでみようかしら?
もしダメなら諦めたらいいし。
よし、帰って来たらダメもとで聞いてみよっと……。
私は、軽い気持ちで決断する。
その夜。夕食を作って待っていると課長が帰宅した。
私は、慌てて和季を抱き上げて玄関まで出迎えた。
「ただいま~」
「お帰りなさい。どうでした?久しぶりの会社は?」
「あぁ、皆元気そうだったぞ。
もう結婚の事やらお前の事やらで説明責めにあったが」
やれやれと課長は、ため息を吐きながらネクタイを緩めていた。
それは……また。課長は、海外営業部の部長として呼ばれたのだが
前に働いていた会社のため顔見知りの部下も多い。
私もそこの会社を一身上の都合で辞めたから
余計に周りも気になるのだろう。
そうすると抱っこしていた和季が何か言いたげに
手を振り回してねだっていた。
「パーパ。あーあー」
「はいはい。さぁ、お風呂に入るぞ!和季」
課長は、そう言うと和季を抱っこしながら脱衣場に向かった。
お風呂を入れてくれるのは、凄く助かるのだが……そうなると
やっぱりこうなる訳で……。
「うぎゃああ~っっ!!」
和季の悲鳴が飛ぶ。 お風呂に入るのは、平気なのだが
やっぱり脱がされるのは、抵抗があるらしい。