「はい。食欲旺盛なので。
ただ着替えを嫌がる子なので毎日着替えさせるのが
本当に大変なんです」
「あ~分かるわ。ウチの子は、お風呂に入るのを嫌がるのよ!」
「私の所は、歯磨きだわ」
苦笑いしながら答えると次から次へと
我が子に対しての悩みが出てきた。
どうやら育児で悩む事は、それぞれあるようで
心の中で一安心する。良かった……私の所ばかりではないのね。
解決策がないかとお互いに意見を出し合ったりしていた。
そうしたら1人のママさんが私に声をかけてきた。
「そういえば、櫻井さんって免許とか持っているの?」
免許……?どうしてそんなことを聞くの?
私は、不思議そうに首を傾げた。
「いえ。免許は、主人しか持っていませんが?」
「あら、そうなの? これから大きくなると
塾や習い事とか送り迎えで必要になるわよ~」
「普段は、使わないんだけど。私も上の子の
習い事の送り迎えに必要だったから取りに行っているわ。
あ、そうだ。良かったら櫻井さんの教習所に一緒に行かない?」
思わない誘いを受けた。車の免許か……。
今まで課長が運転していたので考えてもみなかったわ。
「あ、でも……和季が居るし……」
「丁度近くに一時的に預かってくれる託児所があるわよ?
私は、その間だけ預かってもらっているの。
えっと…確か教習所と託児所のパンフレットを持っているからあげるわ。
良かったら考えてみたら?」
「ありがとうございます……」
カバンからパンフレットを取り出し誘われた。
私は、お礼を言いそのパンフレットを受け取った。
ペラッと見ると詳しく書いてあった。ふむふむ……なるほど。