大泣きして暴れるは……逃げ回り私1人だと手に負えない。
何度かチャレンジしてみるが、午前中のほとんどを
それに費やしてしまった。
そのために課長にいつも頼んで着替えさせてもらっているのだけど
あの課長すら手こずる始末。朝食が出来た頃には……。
「おい。やっと着替えさせたぞ!」
「お疲れ様です」
課長が和季を抱っこしてリビングに現れた。
私は、労いの言葉を言うがその姿は、ボロボロだった。
課長も和季も椅子に座るがお互いにぐったりとしていた。
相変わらず……凄いバトルだったのね。
「ハァッ……デキの悪い部下を叱り飛ばすより
精神も体力も使うのは、何故だ?」
課長は、ぐったりとため息混じりに味噌汁を飲み始めた。
確かに……。課長が、ココまで精神的や
体力的にも疲れている所なんて見た事がない。
会社の部下や上司達が、この姿を見たらきっと驚くだろう。
私ですら、驚いている訳だし……。
私は、苦笑いをした。チラッと和季を見ると
まだ半べそになりながらぐったりとしていた。
よほど泣いて暴れたのだろう。
「和季~ほら。機嫌直して離乳食を食べようか?
お腹空いたでしょ?」
そう言いながらスプーンを口元に持っていく。
ぐずりながらも口に開けて食べ始めた。
「あ~ん」
もう一口食べさせる。どうやらお腹が空いたらしく
あっという間に完食をしてしまった。それを見ながら課長が
「コイツは、ある意味大物になるかもな」と言って呟いていた。
「フフッ……だといいですけどね」
どんな風に成長するか楽しみよね。
課長は、朝食を食べ終わるとそのまま会社に出かけて行った。