慣れない事ばかりだった海外と違い住み慣れた日本での生活。
不安より期待の方が大きかった。
 すると一通りの指示が終わったのか課長がリビングから入って来た。

「和季の泣き声が聞こえたが、また悪さしたのか?」

「あ、すみません。 テーブルに乗り出すから
注意したらそのまま段ボールに頭ぶつけて……」

「またか……相変わらずそそっかしい奴だ」

 苦笑いしながら報告すると呆れながらため息を吐いていた。
そして、和季を私から受け取るとあやした。

「後で近所に挨拶回りに行くぞ!
これから色々と付き合いになるからな」

「はい。そうですね」

 仲良くなれるといいんだけど……。新米のママだし。
仲のいいママ友とか出来たらいいんだけどな。
アメリカでは、特に1人そういう友達が出来た。
 日本語も話せる人だったから代わりに通訳もしてくれて
非常に助かったんだけど日本でもそんな人が出来るかしら?

 そして夕方頃には、無事に片付けが終わった。
夕食を済ませると美奈子が帰る事に。
 私達は、車まで見送ることにした。

「今日は、本当に助かったわ。ありがとう……美奈子」

「付き合わせて悪かったな。今日は、ありがとう」

「いえいえ。どういたしまして。
また、何かあったら遠慮なく呼んで下さい。またねぇ~」

そう言って笑顔で手を振りながら帰って行った。
 本当に頼りになるし、信頼が出来るいい親友を持ったと思う。
美奈子には、感謝ばかりだ!

「帰ったな。亜季は、いい友人を持ったな?」