あっ……!?一同驚くと和季は、大泣きをする。
車内だから破壊力が凄い。

「お前が、窓ガラスに頭を近付け過ぎるのが悪い。
よしよし……泣くな」

 課長が背中をポンポンと叩きながら
あやしてあげると泣きながらも必死にしがみついていた。
 私は、助手席に座りながら和季の様子を見ていたら
美奈子が申し訳なさそうにしていた。

「和季君。大丈夫?
ごめんなさいねぇ~私の不注意で」

「いいの、いいの。大した事ないみたいだし……この子。
よく頭ぶつけるのよ……意外とそそっかしくて」

 苦笑いしながら言う。見た目は、課長に似て
どっしりと落ち着いているように見えるが誰に似てか
腕白坊主な所がある。
 その上にそそっかしくてよく物にぶつかったりコケる。
泣き虫な所もあったりで目が離せない存在だ!

「そそっかしいのは、亜季似だからじゃない?
腕白坊主な所は、誰に似たか分からないけど……」

「えっ?私ってそんなにそそっかしい!?」

 美奈子がそんな事を言ってきた。
意外だと思い驚いてしまう。
 自分では、そんな風に思っていなかったからだ。

「あら、だって…一回。
課長のデスクにお茶をこぼした事があったじゃない?」

「あぁ……そういえば……」

 私も思い出した。あの時は、課長とキスをしたのに浮かれて
不注意でデスクにお茶をひっくり返しちゃったのよね。
 もちろん課長に激怒されて給湯室で泣いたっけ。

 あ、あの時に八神さんに会ったのよね。
色々あったけど…八神さん元気にしているかしら?
 そんな事を思い出していると課長がクスッと笑う。

「あの時は、つい怒ってしまったが
確かに亜季は、そそっかしい所があるな」と納得したように言われた。