「えっ……?」
「メールで前向きになりたいと言っていたから
で、どうなんだ?
俺とメールをしていて前向きになれたのか?」
青柳さんの言葉が出てこない。
前向きになりたくて……相談をした。
そして、会えたら変われるかもと思った。
でも…まだ忘れられない人が居た。気持ちが揺れる。
「…ダメですね…私。忘れようとすれば、
するほど思い出してしまう」
「まぁ……そう簡単に忘れられるものじゃないだろう。
焦らずに居る事だな。いずれ時間が解決してくれる」
青柳さん……。
「……そう言って欲しいのか?俺に」
えっ……?
青柳さんの突然の言葉に動揺した。
青柳さんを見ると真剣な表情をしていた。
「そういうのを人は、甘えだと言うんだ。
確かに失恋は、時間が経てば解決する事もある。
だが……それから逃げたり自分の気持ちに嘘をつけば必ず後悔する。
君のは、自分から逃げているだけだ。
相手がどうとか言い訳をして気持ちをひた隠しにしているだけ。
そんな奴が成長なんて出来るか」
強い口調で言う青柳さん。
その言葉は、私の心を鋭く貫く。
腹が立つほど図星を言われたからだろう。
「だって…仕方がないじゃないですか!?
私は、大切な仕事があるし課長は、海外に行ってしまう。
私が止める事なんて出来ないですし」
私だって……本当は、行ってほしくなかった。
でも、彼の出世の邪魔なんて出来ない。
だったら別れるしか選択肢が無いじゃない!!
「……それで。君は、満足しているのか?」
「えっ……?」
「自分に嘘をついてまで我慢をして
今の現状に満足が出来ているのかと聞いているんだ?」