「泣かれたあげく落ち込まれると気になってしまう。
相談なら乗ってやる」
「あ、ありがとうございます」
ぶっきらぼうながらもそう言ってくれた。信じられない……。
恥ずかしそうにお礼を言った。
青柳さんの連絡先を聞いてしまった。アドレスも
自宅に帰るとスマホを眺める。
アドレス先に青柳さんの名が……。
どうしよう……聞いてしまったけど連絡するにも
気が引けるし、何より課長に悪い。
何やっているのだろう……。
課長に似ているからってあの人は、課長じゃないのに。
メール着信を確かめるが0件だった。
来ている訳がないのに…何度も確かめてしまう。
課長からのメールを……。
それからも青柳さんに連絡する事はなかった。
する理由もないし、どうやって話したらいいのか分からない。
そもそも青柳さんは、どういった人なのかも分からない。
課長に似ているだけじゃなくて優しい人だと分かった。
ぶっきらぼうだけど……。分かったのは、それぐらい。
でも、私が連絡してほしいのは……。
そんな事を考えていたら急にメールのお知らせランプがが光り出した。
えっ……まさか、課長!?
慌ててメールを見ると課長じゃなくて青柳さんからだった。
違った……。でも、嘘、青柳さんから!?
あの人から連絡が来るなんて思わなかったから余計に驚いてしまった。
驚きながらも内容を見ると……。
『初めてメールをします。あれからどうですか?
元気にやっているのならいいのですが』
私を気遣ってわざわざメールをしてくれたようだ。
やっぱり課長に似ている。
私は、急いでメールを返した。
『メールとお気遣いありがとうございます。
元気にしているとなると微妙な所では、ありますが少しずつ…』
少しずつ……。それ以上打てなかった。
少しずつ前向きにと打つはずだったのに嘘を言っているような気がして
全然、前向きになれていないのに……。
震える手。消そう……そう思いボタンを押そうとしたら
誤ってそのまま送ってしまった。