「お、おい。悪い……もしかして
また図星を言ってしまったか!?」
「いえ……ただ思い出しただけです。すみません」
青柳さんら、困った表情で慌ててカバンから
ハンカチを取り出してきた。
そして私にハンカチを差し出してくれた。
「これ……使え」
「……ありがとうございます」
私は、そのハンカチを受け取り涙を拭いた。
しかし、さすがに駅近くの商店街で涙を流している訳にもいかず
私と青柳さんは、近くの喫茶店に入る事になった。
お互いにコーヒーを頼み沈黙したまま時間が過ぎて行く。
黙って泣き止むのを待っててくれる青柳さんは、
彼もまた優しい人なのだろう。
私とは、合コンで会ったきりの関係。
放って帰ってもいいはずなのにそばに居てくれた。
そのお陰なのか少し落ち着いてきた。
店員が持ってきたコーヒーにミルクを入れて
静かにかき混ぜる。
一口飲むとホッと気持ちが楽になった。
「……落ち着いたか?」
「はい。お見苦しい所をお見せしてすみませんでした」
「また謝っている。 こういう時は、ありがとう……と言うものだ!」
申し訳なさそうに謝罪をすると
青柳さんは、そう言って指摘をしてきた。
私は、驚いて彼を見た。
彼は、黙ったまま自分のカップに口をつけていた。
「えっと……ありがとうございます」
私は、言われた通りお礼を言った。
そうするとこちらを見て静かに微笑んでいた。
「どういたしまして」と言いながら