えっ!?あっ…見ていたことに気づかれてしまった。
恥ずかしい……。
そんなつもりで見ていたつもりはなかったのに
頬が熱くなってきた。
「いえ……少し課長に似ていたので……つい。すみません」
「……課長?そんなに似ているのか?俺と」
「えっと……雰囲気とか、話し方とか色々。
あ、そんな事を言われても不愉快ですよね。すみません」
「あんた。謝ってばかりだな」
えっ?謝ってばかり?
彼の言葉に驚いてしまった。
そんなに謝っているかしら?私……。
「えっ……そうですか?すみません……あっ!!」
本当だ。確かに謝っていた。
申し訳ないと思っているせいかも知れない。
何だか余計に恥ずかしくなってきた。
「……その課長さんって人。
もしかして、あんたの好きな人か?」
何気ない青柳さんの発言にドキッとした。
返事に困っていると青柳さんは、
「悪い。図星か……?」と言って謝ってきた。
「いえ……好きな人ってより以前付き合っていた人です。
残念ながら別れてしまいましたが」
寂しそうに苦笑いをする。
もう過去になってしまった人なのに思い出して落ち込む自分が情けない。
「ちょっと、そこの2人。
何、葬式みたいに辛気くさい雰囲気を出してんのよ?
せっかくの合コンなんだから、もう少し話して盛り上がりなさいよ!?」
「……そう言われても……」
ガツガツしている訳でもないため盛り上がれと言われても困ってしまう。
チラッと見ると青柳さんは、気にする事なく
また、お酒を飲み始めていた。