少し寂しそうに見えるのは、自分とも似ているからだろうか?
 私は、少し気になって彼をチラチラと見ていた。
やっぱり似ているかも……課長に。
 すると美奈子が私に声をかけてきた。

「ちょっと、亜季。誰か気になる人でも居た?
あ、もしかしてあの人が気になるの?」

 えっ!?美奈子の言葉に驚いた。
ただ課長に似ていたから少し見ていただけだし。
 私は、慌てて首を振った。

「違う、違う。そんなんじゃないわよ!!」

「いいじゃん。よし、席替えタイーム!!」

「ちょっ……美奈子!?」

 美奈子が盛り上げるように叫んできた。
止める間もなくその男性の隣に座らせられる。
 彼は、気にする事もなくまだ飲んでいた。
確か……名前は、青柳さんと言っただろうか?

「あの……慣れませんね?こういう場って」

 取りあえず話しかけてみた。
そうするとチラッと私を見てきた。
 だが無表情で顔色1つ変えない。

「そうだな。無理やり連れて来られたから
よく分からないけど」

低い声でボソッと呟いてきた。
 あ、話し方も似ているわ。ちょっと怖くて
近寄りがたいところとか……特に。
 似ている所を見つけるたびに心臓が高鳴った。

「私も連れて来られて…始めてだから浮いてしまって」

「……見れば分かる」

 バッサリと言われてしまう。
うっ…そんなに浮いているように見えたのかしら?
 人に言われると何だか傷つくものだ。
しゅんと落ち込んでいたら

「それより、さっきから俺を見ていたけど……何か用か?」