居るはずの社長が、何処にも居なかった。
おかしいわねぇ~さっきまで向こうに居たのに?
慌てて捜すことにした。

 自由奔放な社長は、直ぐにふらふらと
何処かに行ってしまうから困るのよね。
 もう……何処に行っちゃったのよ!?

 ホテルの周りを探しているとあっ……居た!!
フロントの受付で話をしていた。
 こんなところで話し込んで……まったく。

「社長!!」

「あ、夏希。車の手配終わったのか?」

「もう……勝手に居なくならないで下さいよ!?
もうそろそろ来るので大人しくしていて下さい」

 私は、文句を言うとアハハッと笑っていた。
笑い事じゃないわよ……いつも、いつも。
 しかし何でフロントに?

 首を傾げていると社長は、ニヤリと笑って
こちらを見てきた。そしてフロントに

「じゃあ、今度。この彼女を連れて来るからよろしく」と
言ってきたではないか。

……はい!?

「えっ?ちょっと…社長」

 何で、そこに私のことが出てくるのよ!?
意味が分からなかったが、すぐにハッとする。
 まさか私と泊まる気で!!

「社長。どういう事ですか!?
私は、一緒になんか行きませんからね!!」

冗談ではないわよ!!