「はぁっ?ちょっと何を送っているんですか!?
 こんなモノを社長に送ったりしたら大変なことになるではないですか!!」

 考えただけでも恐ろしい。社長の不機嫌な顔が浮かぶようだ。
 しかし田所様は、ニコッと笑ってきた。

「まぁ、頑張ってね。夏希ちゃん」

 そんな……簡単に言わないで下さいよ!!
あぁ、恐ろしい……。
 考えただけでも何をやられるかと思うと恐ろしくて仕方がない。

 しかし結局、悩んでも仕方がなく
私は、そのまま会社に行く事になってしまった。
 もちろん結果は………。

 お互い沈黙が続く。沈黙の中でも伝わるぐらいに
社長の不機嫌な理由が伝わってきた。
 怒っている……間違いなく。

「あの…ですから田所様とは、別に何もありませんでしたから。
ただ酔いつぶれて…」

 何とか言い訳をしようとすると社長が1枚の紙を出してきた。
何ですか……これは?

「新しい契約書だ。これにサインをしろ、今すぐに」

 その契約書を見るとこう書いてあった。
『田所涼太郎との密会を禁じる』と……はい?
 私は、慌てて否定する。

「な、何ですか……この契約書は?
田所様と密会って……だからそんな仲ではありませんから」

「田所が何もしてないってのは、すでに聞いている。
あいつは、人をからかうが嘘は、絶対につかない」

「なら、いいではないですか!?」

「俺が怒っているのは、俺以外の男にホイホイついて行く
お前のその尻軽さだ!」