「キャアッ!?し、社長…こんな事は、いいですから
テレビでも観てて下さい」
「えぇ~何でさ?今から写メ撮ろうと思ったのに。
あ、今度…もっと派手な下着をプレゼントしてあげようか?」
「撮らないで下さい!!ってか、そんなのいりませんから」
キッパリと否定をした。
この人……私の部屋に置いておくと何するか分かったものではない!!
「チェッ……まぁいいや。持って来たDVDでも観よっと」
社長は、諦めたように呟くとカバンからDVDを出そうとしていた。
そうよ…DVDでも何でも観て大人しくしててくれた方が助かるわ。
そう思い食事作りに戻るが………。
社長が持って来たDVDってのが厄介だった。
「ちょっと社長!?何のDVDを持って来たんですか?」
「うん?これか?
『社長と秘書のオフィスでの甘い密会…No.2』だ!」
「すぐに消して下さい!!」
「え~暇だから嫌だ。いいじゃん。
お前もこれを観たり聞いたりして勉強しろ!」
社長は、そう言いながらくつろぎだした。
もうこれ以上言うのは、やめよう。
下手に刺激させて今度は、部屋でも物色されたら
嫌だし作るまでの我慢よ!
そう思い社長を無視して聞かないようにした。
料理に集中して作っているとそれが気に入らなかったのか社長は、音量を上げ始めた。
「………」
それは、もう口に出すのが恥ずかしいほどの演出だった。
やめて…私の理想の秘書像が粉々に崩れていく。
たまに社長が独り言のように呟いてくる。
「いいよなぁ~あの社長。
俺もあんな風に夏希にしてくれないかなぁ~?」