自宅アパートに着くと鍵を開けて中に入った。
社長は、玄関から部屋に上がるとジロジロと周りを見てきた。

「へぇ~ココが夏希のアパートか……」

「あんまりジロジロ見ないで下さい。
あんまり綺麗ではないですから」

 あぁ、もっと前に念入りに掃除をしておくべきだったと後悔する。
 そうではなくても狭いのに……。

「狭いですが、この部屋で待っていて下さい。すぐ作りますから」

「はいはい」

 そう言いながら社長は、背広を脱いだ。
私は、背広をハンガーにかけてすぐに作りにかかった。
 私の部屋は、1DKの安いアパートだ。
結構古いが、駅にも近いためココにした。

 きっと大きくて立派な住宅に住んでる社長にとったら
狭くてガッカリしているだろう。
 だから、少しでも部屋の中とか綺麗にしたかったのに…。

いやいや、まず社長を自宅に入れるなんて思わないけどさ。
 しかも、こうやって料理まで作っているし……。
料理を作っている最中にお茶を淹れると社長に話しかけた。

「社長。もうすぐ出来ますから待ってて……って
何をやっているのですか!?」

「えっ?暇だったから君の洗濯物を取り込んでたたんでいるのだが?」

「いや、後でやりますから。たたまなくてもいいですから!!」

見ると社長は、せっせと洗濯物を中に入れてたたんでくれていた。
 しかも社長が今、手に持っているのは、私の下着だし!?

「この前見て思ったけど夏希って意外と下着が派手だよな?
 これなんて…真っ赤でなかなかセクシー」

 ご満悦に見る社長だった。
その下着は、真っ赤でレースが付いたやつだった。
 キャアッ何をやっているのよ!?
私は、恥ずかしさのあまり慌てて下着を取り返した。