「近々結婚式をやる予定みたいだから招待状が届くはずよ?」

 香奈子の言葉にそう恵美が答えた。結婚式か……。
相手には、驚いたが麻美も結婚するんだ。
 何だか羨ましくなってくる。
24もなれば結婚をする人も現れる。

 中には、恵美みたいに子供がいる子だって居る。
それぐらいお互いに年をとったって事だろう。
 私もいつか……。そんな人が現れたらいいのに。
そう思っているとフッと社長の顔が浮かんだ。

 何で社長が!?あの人は、ダメ。
すでに結婚している既婚者じゃない!!
 望むだけ無駄よ。さっさと忘れなくちゃあ。
必死に頭の中から消去しようとした。
 それでも思い出してしまう自分に切なくなった。

 それから数ヶ月後。
私達は、麻美の結婚式に出席した。
相変わらずというか……派手に行われた。ゴンドラまで登場するし

「麻美ったら相変わらずだよねぇ~」

 香奈子が私に、こっそりと話しかけてきた。
確かに。でも、とても幸せそうだ。
 見ていたら羨ましくなってきた。皆に祝福されて……。

 無事に披露宴が終わると私達は、待合室で少し休憩していた。
 披露宴のディナーは、美味しかったけど何だか物足りない。
ラーメン食べたいなぁ……なんて思っていた。
 すると誰かが近付いてくる気配がした。

「あれ?夏希ちゃん」

 誰かが私に声をかけてきた。えっ?
声をする方に振り向くと田所様だった。

「田所様!?」

「やぁ、偶然だねぇ~もしかして結婚式に出席していたの?」

「は、はい。同級生の友人の結婚だったので」

 まさか、こんな所で田所様に会えるとは、思わなかった。
田所様は、仕事かしら?それともデート?