はぁっ?何を言っているのよ?愛人よ?愛人……。
香菜子の言葉に呆れてしまう。すると
「香菜子ったら何言ってるのよ!?
不倫なんてろくな人生にしかならないわよ?やめておきなさい!!」
まともな意見で止めてくれるのは、もう1人の親友。
竹田恵美だった。彼女は、主婦で1児の母親だ。
さすが恵美……よく分かっている。
そうよ!不倫なんかして失敗する訳にはいかない。
私は、秘書として頑張り素敵な旦那を見つけて
家族に楽をさせてあげたいと思っているのに……。
「私は、幸せな結婚がしたいのよ!
不倫なんかして人生を無駄にしたくないわ」
「まぁ、確かにそうだけど…でも勿体無いわ。
超イケメンなのに。しかも、社長でお金持ち」
「欲しいのなら、あげるわよ?私いらないから」
「フフッ冗談よ!でもさ~あんたの愚痴を聞くと
毎回夫婦漫才のように思えてくるわ」
「それ私も思った」
ちょっと恵美まで……。これのどこが、夫婦漫才なのよ!?
社長と夫婦漫才も不倫もとんでもないわよ。
私は、呆れながらため息を吐いた。
しかしこのメンバーと一緒に居るのは、本当に楽しい。
愚痴も言えるし、何でも話せる。いいストレス発散になっていた。
結局たくさん愚痴を溢せたので翌日もそのせいか気分が良かった。
やっぱりストレス発散しなくちゃあね♪
そう思いながら気分良くパソコンのキーボードを打って仕事していた。
「おや?夏希。今日は、機嫌がいいな?結構、結構」
そう言いながら後ろからベタベタと抱き付いてきたのは、社長だった。
相変わらずウザい……。