そんな事をつい考えてしまった。
本人には、調子に乗るから言わないけど
ハァッ……とため息を吐いた。頭が痛い……。
結局、悩んでいる内にデート当日を迎えてしまった。
どうすることも出来なかった……。
服装…これで良かったかしら?
何やかんやと悩んでも服を新調してしまった。
手鏡を見ながらメイクや髪型がおかしくないかチェックをする。
さすがに変な姿を見られたくない。
そう思ってしまうのは、本心では
少し期待をしているのかもしれない。
すると待ち合わせ場所にビジッと決めた
社長が現れた。相変わらずスーツがよく似合う。
私は、深々と頭を下げた。
「社長。お誘いありがとうございます」
「夏希。デートなんだから
堅苦しくする必要なんて無いぞ。さぁ、行こう」
そう言いながら私の腰に手を回してきた。
社長……手が邪魔。
しかし本人は、ニコニコしながら車のドアを開けてきた。
そして車に乗せられた。
しかも運転手付きの車と違い社長の私物だった。
「これ…社長の車ですか?」
「そう。プライベートだからな。さぁ、行くぞ!」
そう言ってエンジンーかけて車を走らせた。
車もカッコイイ高級車だが何より運転している社長は、
凄くカッコよく見えた。サングラスをかけているし……。
思わずドキドキしながら見惚れてしまった。
しばらく見惚れている内にある場所が見えてきた。
あれ?ここって……。
「この前のホテルではないですか!?」
「あぁ、予約したって言っただろ?
多少、日にちをずらしたが……」
すっかり忘れていた!!
まさか、こんな形で来るはめになるなんて思ってもいなかった。
私は、唖然としてしまった。