『なら、いいじゃない。これも仕事の内だと思えばいいのよ!
仕事で一緒に食事をしただけ。
やましい気持ちや関係が無かったらOKよ!』
香奈子がそう言ってきた。仕事の内か……。
『あんたの所の社長さん。合コンで見た限りだと
思った以上に夏希に対して溺愛ぶりね!
しかも思った以上のイケメン。行きたがって当然だわ』
「溺愛ぶりは、確かにそうだけど……あれは、
人をからかって面白がっているだけよ!」
本気な訳がないじゃない。ただの遊び。
美人でも無いのに本気な訳がない。
それに既婚者なんだし……。
『あら、自分に自信を持ちなさいよ?
夏希は、美人なんだから。しかも巨乳。
社長が部下の合コンに乗り込むなんて普通しないわよ!
それだけ、あんたを大事にしてるってことじゃない』
香奈子は、そうハッキリと言い切ってきた。
そうかしら……?昨日の事を思い出した。
あんなに必死になった社長を初めてみたかも
何だか胸が苦しい。
少しは、私にも…ハッ!!
いやいや。何を考えているのよ!?
そもそも大切にしてくれるなら離婚してくれるはず。
変な期待をしたらダメよ!
危うく変な期待をしてしまうところだったわ。
『夏希…?とにかく食事ぐらいは、いいんだから。
仕事として堂々と行きなさいよ』
「う、うん」
何だか香奈子にいいように言われた気がする。
デートか………。何を着て行こうかしら?
新しいの買おうかな。いや、でも……。
電話を切るとハァッ……とため息を吐いた。
何をやっているんだか……自分は。
翌日もパソコンを眺めながらボーッとそんな事ばかり考えていた。
「夏希?ボーとしていたらダメだろ。
どうした?気分でもすぐれないのか?」
社長が、そう言いながらまた、後ろから抱き締めてきた。
しかし心配しているふりをして私の胸を触ってくるじゃないか。
いい加減にしてほしい……。