早速のお誘いだった。
まぁ……彼氏が作るのが目的だし。
私は、頷こうとしたその瞬間だった。
「それぐらいの男で妥協するとは、男の見る目が無いぞ?夏希」
えっ……?
振り向くと社長の姿があった。な、何で……!?
社長がこんなところに居るのよ?
「社長。あの…どうしてこちらに?」
「彼女である君を連れ戻しに来たに決まってるだろ?
まったく。少し喧嘩したぐらいで
こんな所に来るとは……なんていけない女だ。俺への腹いせか?」
そう言うと強引に私の手を引いてきた。
はい?何を言ってるの!?
「ちょっと、社長。離して下さい!?」
「ほら、行くぞ!皆様ご迷惑をおかけしました。
これ代金です。じゃあ」
お金を出すとそのまま私を連れ出されてしまう。
お店の外に出ると慌てて手を引き剥がそうとした。
こんなところで邪魔されたくない。
「離して下さい!!私は、まだ合コンの続きがあるんですから
社長には、関係ないじゃない!?」
社長に関係ない。そんなの私が決めることだわ。
そう言い返したらそれに対して怒った社長は、
バンッと壁に押し付けてきた。
「続き?君は、好きでもない男と付き合ったり寝る気だったのか?
……本当に彼でいいと思ったのか?」
鋭い目付きで睨みながら叱り飛ばされた。言葉に詰まった。
確かに……本気とか好きとかじゃないけど
でも、そんなの社長には関係ないし。
「それでも合コンがやりたいなら好きにやればいい。
俺は、知らないからな?」
そう言うと離してくれたが私を置いて立ち去ってしまった。
私は、1人でポツンと取り残されてしまった。
「……なによ。言うだけ言って……」