あっ……そうだわ!!
 お腹に居る以上、仕事が出来ないし、出産してもしばらく働けないじゃない!?

肝心な事を忘れていた。
 私の仕事復帰が長引いてしまう。社長の馬鹿ー!!
しかし社長は、夜にそのことを報告すると大喜びしながら抱きついてきた。

「やったー娘が抱けるぞ!!」

「いや……まだ女の子だと決まった訳ではありませんよ?」

「いや、女に決まっている。絶対に娘だ!
早速ブログにアップしなくては……」

 社長は、嬉しそうに飛び跳ねながらリビングから出て行ってしまった。
 ちょっ……社長!?また勝手なことを……。
慌てて止めるが無駄だった。

そして早速堂々と喜びをサイトのブログにアップされていた。
 未だにやめないサイト。しかしお祝いコメントもたくさん送られ何だか恥ずかしくなってくる。
 まったく……と苦笑いするしかなかった。

 レオンは、レオンでお腹の赤ちゃんに興味があるのか
たびたびお腹の様子を確かめるようになった。

「早く産まれないかなぁ~」

「フフッ……まだまだ先よ!」

 思わず笑みがこぼれた。
どうやら今は、こっちの方に夢中らしい。
 自分の恋とか、まだまだみたいだがこれは、これでいい方向なのだろう。

 そして、待ちに待ち望み月日が経った。
我が家に新しい家族が誕生した。

「オギャア オギャア……」

 社長希望の元気な女の子が産まれた。
ビデオカメラを必死に撮りながら、その光景を感動するレオンだった。

「すげぇ~新しい生命の誕生だ!!」