「随分と凄い事をなさるんですね?」

「……まぁね。後継者ではない以上
これぐらいしか俺の活躍する場所がないからさ」

 レオンは、少し切ない表情をしてきた。
やっぱり彼は、誰かに認められたいのだろう。
 お兄さんが居るから活躍の場を失いそれでも欲しくて。
だから自然とそのストレスが社長に向いたのだろう。

「それも立派な仕事じゃないですか。
私は、そこまでパソコンの操作が出来ないから羨ましいわ」

 天才的な頭脳。これも彼の大事な個性であり尊敬に値するもの。
 もっと自分に自信を持てばいいのに……。
その発言に驚きつつ私を見るレオンだった。

「羨ましい……?本当に?」

「えぇ、とても。あなたしか出来ない素晴らしい能力だわ」

ニコッと微笑みながらそう答えた。
 そうしたらレオンは、嬉しそうに笑いひたすらパソコンを操作しだした。
 彼は、どうやら社長に似て中身が子供みたいだ。
ただ褒められたくて……そして振り向いて欲しくてあんな事をしたのだろう。

 純粋過ぎるための苦悩だったのかも知れない。
私は、邪魔にならないように離れて洗濯物を干すことにした。

 洗った大量の洗濯物を1枚ずつ干していく。
これだけの量を干すのには、時間がかかって大変だわ。
 最後のシーツを物干しざおに掛け終わる。すると後ろから

「夏希。仕事が一段落したよ~?」

 レオンが甘えながら抱き締めてきた。
しかも右手は、しっかりと私の胸を触りながら、やってくるではないか……。

「キャア!?ちょっと驚かさないで下さい。
それに、どこを触っているのよ!?」

「胸だけど」

「何もしないって言っていたではないですか?」

「しないよ!いやだなぁ~これは、ただのコミュニケーションだよ。
コミュニケーション。OK?」